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2013.6.7に行われた「クラフトビアセミナー 〜飲食店向け 初級講座〜」に参加して来ました。

クラフトビールに興味を持つようになって、飲んだびーるの感想を書いてみたり、本を読んでみたりしてみたものの、今回の経営者目線のお話はボクにとって新たな興味をひく内容でした。
ざっくりとでも感じ取ったことを残せればいいなあ、と思います。



当日のスケジュールは14:00〜16:30までの予定、前半はおよそ60分間のプロジェクターを使った座学。
後半はビアテイスティング兼、質問コーナー。それに加えて交流会の側面もありましたし、特にここでの説明は難しい感じなので今回は割愛しますね。



さてさて、今回の講師は、

地ビールのオンラインショップ クラフトビアーズ
ホシザキ電機
クラフトビール東京

…の代表者様が1名ずつ。
それぞれの立場・角度からの講義となりました。


セミナーの内容ですが、ボクなりに
■クラフトビールの定義
■クラフトビールの歴史と流行
■経営戦略について
の3項目に分けて説明したいと思います。

※実際のセミナーが上記の3項目に分けられての進行だった訳ではありません。ご了承ください。





【クラフトビールの定義】

まず印象的だったのは「クラフトビールは諸説あるが明確な定義がない」というお話。

確かに「小規模なマイクロブルワリーが造っているびーる」といった定義を当てはめるのが難しいほど、現状のクラフトビール業界は一気に拡大・複雑化している印象があります。それはまた規模だったり法律だったり、様々な部分で。

じゃーどー言えばいいの?とすれば「大手以外の勢力が創ったびーる」ってあたりが近い表現しれません…輸入びーるの関連などもあり適当ではないでしょうが…。
講師の方からは「定義についてアメリカでもかなりの議論されているが…」というコメントもありましたが、今さら感があるのかもしれませんね。

もしここで「クラフトビール統一協会Japan(仮)」みたいなのが登場したとしても、一団体としては機能するかもですが、文化としての統一は一筋縄ではいかないでしょう。
品質、規模、流通などのいろんな状況が、半年後にどうなっているかわらないのが今のクラフトビール業界の現状ではないでしょうか。
初期のうちに定義を固めるにはちょっと時期を逃してしまった感もあります。

また、定義や制度ってのは時として足かせにしかなりませんしね。
色々な可能性を探っている今の時期に、あーしろこーしろと統一だけ促しても萎縮してしまうのではないでしょうか。

「現状では必要無い。出た目が定義だ。」ってのが適当な時期なのかもしれませんね。







【クラフトビールの歴史と店舗の流行】

セミナーの内容的には初級ということもあり、1994年の酒税改正などの歴史から近年の東京近郊のクラフトビール提供の現状など。具体的な店名なども絡めつつ講義は進みます。
「いわゆる地域振興的な“失敗に終わった地ビール”からの脱却。品質も向上したクラフトビールの市場価値が近年上がり、消費人口も増大。店舗数もうなぎ上りである。」

そして2013年のトレンドは「クラフトビールを提供するだけでなく、美味しい料理や海の見えるロケーションなどの付加価値を加えた店舗の登場。」などなど。

クラフトビールを中心とした経営戦略をとる店舗の登場は、2011年頃から本格化してきたらしいですが、2013年中盤の今にして、そのような多様性を見せているのは、まさにクラフトビール業界の勢いを感じさせるものであり、黎明期ならではの進化の姿なのかもしれません。

また、店舗方針だけでなく、音楽イベントとのコラボレーション、もしくはブルワリー主導の各種複合イベントが開催されているとのこと。
その流れを受けてか、ここ2年ほどはクラフトビールを紹介する雑誌や放送メディアも増え始め、その反響も大きいらしいです。
「中でも、女性誌での特集が反響を得ている。」とのことですが、その理由の一端は、びーるの持つ他の酒類にはない“手軽さ”や“明るいイメージ”などが後押しした結果なのではないでしょうか。

野外ライブやお祭りのようなイベントのアルコール飲料としてのびーるは、他の酒類にはないポジティブな印象があるのは他にはないアドバンテージですよね。






【経営戦略について】
店舗経営において実際の樽の値段、タップ数における種類のチョイスなども当然視野にいれなければなりません。
セミナー内では、経営戦略的視点での「種類・色などでの分類」「ブランド名での分類」などはもちろん、「店舗の冷蔵庫・保管設備と絡めたラインナップ形成」など、店舗視点ならではの提案が行われました。

さらには提供フードとの相性によるセレクト案も。
高級寿司店では、お寿司・お刺身に合うびーるとしてヴァイツェンを提供するお店もあるそうです。
マリアージュという主観において、料理の第一線の方々にもクラフトビールが支持されているというのも感慨深いものがあります。

また、お店の面積や規模、都市の人口などにより、タップの適正数もいろいろと変化しますし、パッケージングされた機材ではなく、カスタマイズが必要であるのが悩ましくも楽しいところ。「見せるタップ」というのも、雰囲気作りのキモですよね。
今回は厨房内の写真での施行例なども提示され、具体的な施行金額や、付加機能の提案など、より実践的なお話も聞くことができました。



【感想:クラフトビールの今後】
以上、セミナー内での講師の方々からのお話を、簡単ではありますがボクの意見も絡めてまとめさせていただきました。

さて、講師の方も懸念されていましたが、一見順風満帆に見えるクラフトビール業界も前途洋々という訳でもありません。

前述もしましたが、一般層のファンのみならず、クラフトビールの取り扱い店舗は増加の一途です。
現在のブームは関東圏中心の現象のようですが、今後全国に飛び火するのではないでしょうか。ボクの希望も込みですが。
今回のセミナーでご挨拶させていただいた方にも、青森や京都の方も参加されておりましたし、全国的な注目が上がっているのは間違いないでしょう。

しかし、そこで問題となるのが絶対的なびーるの生産量です。
お店ができても、肝心のびーるが届かないとなれば…。

現状のクラフトビール業界、多くのブルワリーには日本全土に配給できるほどの生産能力はないらしいです。マイクロブルワリーならば当然とも言えますが。
セミナー内では「主に関東圏を中心としたブルワリーのみが脚光を浴び、その生産の多くは関東圏に流れている」そんな風に表現されていました。つまり、このままの体勢が続き、需要が増大すれば供給量が足りなくなるのは明白であるということ。
こればっかりはマイクロブルワリーの宿命でしょうか…。


まだまだ黎明期感から抜け出せない印象のクラフトビール。
様々な課題があって当然ですが、ブルワリーさんも全国各地にありますし、関東圏だけでなく、大きな文化として花開くといいですね。

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